せきや縄跳び、走るときに尿もれします。体操で治りますか？

せき、くしゃみ、スポーツなどの際の尿もれで、腹圧性尿失禁と考えられます。骨盤底筋トレーニングをしてみましょう。

軽い尿もれの中には、骨盤底筋トレーニングにより軽減するものがあります。ただし、骨盤底筋トレーニングでは歯の立たないこともありますし、いったんは骨盤底筋トレーニングが効いても、次第に尿もれが悪化して後から手術による治療が必要になることもあります。

どこを締めているのかわからないという時は、入浴時などに自己内診をしてみるとよいと思います。腟の中に指を2本入れ、きゅっと締め付けてみると、コツがつかめてきます。2本の指を縦に広げ、それを閉じるように締めるとわかりやすいです。トレーニングは、テレビのコマーシャルの時間、お茶の時間、トイレに入るたびと、日常生活に取り入れるようにします。

しかし、骨盤底筋トレーニングをやってだめなら、そこであきらめるのでは残念です。薬(過活動膀胱のように切れのよい薬は今のところなく、補助的な役割)、手術など、他にもいろいろ選択肢はあるのです。

手術は、負担が少なく長期成績の安定したTVT手術、TOT手術の普及でハードルが下がり、スポーツを楽しむために手術するといった例も増えました。

その人によって、治療のニーズは違います。ご自分の症状、生活への影響、どこまでの治療を望むかよく考えてください。

監修：名古屋鉄道健康保険組合名鉄病院 女性泌尿器科付部長 加藤久美子先生