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薬による治療

「過活動膀胱」「切迫性尿失禁」の治療には、抗コリン薬やβ3(ベータスリー)作動薬が用いられます。


膀胱の壁(平滑筋)は自律神経に支配されており、「抗コリン薬」は副交感神経を抑えることで、「β3作動薬」は交感神経を促進することで、膀胱平滑筋の緊張をほぐす働きがあります。またこれらの薬には求心神経に働きかけて尿意を和らげる働きもあります。


これらの薬の投与は、尿排出障害(慢性的な残尿や排尿困難など)を伴わない過活動膀胱がよい対象になります。中高年男性の過活動膀胱は、前立腺肥大症に伴うものが多いので、後述のα1(アルファワンと読む)遮断薬などで尿排出障害を治療し、その後に過活動膀胱の薬を追加することが勧められます。


抗コリン薬には、口が渇く(唾液減少)、便秘に傾く(腸の動きが緩慢に)、コンタクトレンズの異物感(涙の減少)などの副作用があります。また、緑内障や心疾患のある人の一部に利用制限があります。


「腹圧性尿失禁」の治療薬は、尿道括約筋(横紋筋)の締まる力を強化することによって尿もれを軽減するのですが、現実の「腹圧性尿失禁」で、尿もれの原因は尿道括約筋の力不足が主とは言えない実情があります。


「腹圧性尿失禁」の治療では、薬は補助的な役割で、理学療法や尿失禁手術のほうが実績が上がっています。


●過活動膀胱(尿意切迫感・頻尿、切迫性尿失禁)の治療薬

(抗コリン薬、β3作動薬など)


◎抗コリン薬


抗コリン薬は副交感神経を抑える薬剤で、膀胱の緊張を緩め、不随意収縮を減らし、尿意を和らげる。長年の歴史があり、有効性と安全性が確立している。

服用中は人によって排尿しづらくなることがある。口内乾燥、便秘の副作用に注意し、高齢者では少量からの使用が勧められる。貼り薬は口内乾燥、便秘が少ないが、皮膚のかゆみが出ることがある。

発売年月日の新しい順に配列。( )内は商品名、* は後発医薬品があることを示す。以下同様。


◎β3作動薬


β3作動薬は、交感神経のβ3受容体に選択的に働き、膀胱容量の増加、不随意収縮の減少をもたらす。新しい薬剤であるが、抗コリン薬で問題となる口内乾燥、便秘が少なく、有効性も確立した評価を得ている。β3作動薬と抗コリン薬の併用も検討されている。

◎その他の薬

●腹圧性尿失禁の治療薬


交感神経刺激薬が横紋筋収縮力強化作用を持つことから、尿道括約筋(平滑筋成分と横紋筋成分からなる)の締まる力を強めて尿もれを軽減する方向の薬。服用中は筋緊張が高まり、手や指先の震えが起こる人がある。

●尿排出障害の治療薬


α1遮断薬は、交感神経のα1受容体を選択的にブロックする薬剤で、尿道抵抗を弱めることができる。この作用によって排尿困難や慢性的な残尿を改善する薬。服用中は、人によって起立性低血圧がみられる。

監修:名古屋鉄道健康保険組合名鉄病院 女性泌尿器科付部長 加藤久美子先生