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尿もれケアナビ for Women
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いろいろなおしっこの心配
性器脱と尿もれ・尿排出障害
過活動膀胱(overactive bladder; OAB)は、尿意切迫感を中心とする症候群として「切迫性尿失禁の有無に関わらず、通常頻尿および夜間頻尿を伴う尿意切迫感で、感染や他の明らかな病的状態は除外する」と2002年のICS(国際禁制学会)で新しく定義されました。中高年のQOL(生活の質)を下げる重要な疾患との認識が進んでいますが、若い年代で悩む人も少なくありません。
「尿意切迫感・切迫性尿失禁・頻尿」が重要な3つの症状で、中でも尿意切迫感は必須項目です。尿意切迫感があると、それを防ぐため昼夜の排尿回数が増えがちになりますが、一方で頻尿でも尿意切迫感がないものは過活動膀胱に該当しません。切迫性尿失禁では、帰宅して玄関のドアを鍵で開ける間や、トイレのドアノブに手をかけた時にもれてしまう「ドアノブ尿失禁」、台所仕事などで水に手をつけた時に急な尿意を感じてもれる「手洗い尿失禁」が典型的な形です。
脳梗塞などによるものを除けば、原因のわからない特発性が大半です。膀胱の筋肉(膀胱排尿筋)の自分の意志に反した勝手な収縮が背景にあり、神経原性、筋原性の排尿筋過活動、膀胱粘膜や知覚神経の役割などについて研究が進んでいます。
以前の尿流動態検査による診断から、新しい定義では症状による診断へと変更されました。これは検査の負担と限界、治療の裾野を広げる意味を考慮したものですが、症状による診断では、他の病気(膀胱ガンや結石、間質性膀胱炎など)と見分けがつかないケースがあります。セルフケアや非専門医での治療で効果がない時、血尿や膀胱痛といった他の症状がある時は、専門医を受診する必要があります。
生活の工夫としては、排尿日誌をつけ、膀胱トレーニングで徐々に排尿間隔を広げるようにしていきます。尿意切迫感を感じたら慌てず深呼吸し、膀胱の収縮の波がおさまったところでトイレに行くようにしたり、骨盤底トレーニングでこらえるコツをつかみましょう。
尿もれや頻尿は寒さや冷えで悪化し、ヒヤッとした時に尿意切迫感が誘発されがちです。下着や靴下、暖房器具やカイロなどを利用して冷え症対策を。水分摂取はバランスが大切で、尿もれや頻尿を減らそうと極端に飲まないのも、逆に過剰に摂取するのも問題です。1日の尿量の目安を1500ccにおき、冷たい物の一気飲みは避け、暖かい飲み物を中心にします。
受診する時は、排尿日誌を持って行きましょう。治療は抗コリン薬が中心です。口内乾燥(口渇)や便秘の副作用が気になる場合は、うがいやガムで唾液分泌を促したり便秘薬を併用するなどの対策が必要なこともあります。緑内障の一部(未治療の閉塞隅角緑内障)では使えないことがあるので、医師に相談を。抗うつ薬、漢方薬などを用いることもあります。より副作用の少ない抗コリン薬、他のメカニズムの薬剤の治験も進んでいます。
関連リンク 切迫性尿失禁
膀胱トレーニング
骨盤底トレーニング
排尿日誌
夜間頻尿
夜間頻尿は、男性女性を問わず加齢とともに増加し、高齢者では生活に対する影響が非常に大きい排尿の悩みです。原因としては、(1)夜間多尿、(1)1回排尿量の低下、(3)睡眠障害、この3つが複雑に関与します。
(1)の夜間多尿については、高齢者では心機能、腎機能の低下のために、昼間の尿量が減り、そのかわり夜間の尿量が増える傾向があります。一方、「水分とって血液サラサラ」と思って水分を摂り過ぎ、多飲多尿になっていることもあります。(2)の1回排尿量の低下は、過活動膀胱で膀胱が小さく勝手に収縮するために、尿意切迫感、切迫性尿失禁とともに昼間、夜間の頻尿が起きてくる場合が多いのですが、残尿の増加が元になっていることもあります。(3)の睡眠障害では、眠れないからトイレに行く、トイレに行くために眠れない、両者があいまって悪循環になりがちです。
夜間頻尿は、さまざまな排尿症状の中でも、治療がむずかしいとされます。排尿日誌をチェックし、多飲多尿であれば水分摂取を適切に調節する、過活動膀胱であれば抗コリン薬を使用するといったことが有効に働きます。残尿が増加していて、その原因が、たとえば男性の前立腺肥大症なら、その治療をします。睡眠障害については、昼間に散歩する、日光浴をする、夜昼のメリハリをつけた生活をする、就寝直前に入浴する、就寝時刻を遅らせるなど、さまざまなアドバイスがされています。心疾患、腎疾患などの発見、治療も大切で、早朝高血圧による明け方の頻尿が注目されています。
関連リンク 過活動膀胱
排尿日誌
性器脱と尿もれ・尿排出障害
間質性膀胱炎(interstitial cystitis; IC)は、頻尿と膀胱痛を主な症状とする慢性進行性疾患で、アメリカの疫学調査では70万〜100万人の患者数が報告されています。日本でも難治性の頻尿の人の中に間質性膀胱炎が隠れていると、最近注目され始めました。原因は明確ではないものの、膀胱粘膜の透過性の亢進、知覚神経の刺激が膀胱の知覚過敏を引き起こし、次第に膀胱のコンプライアンス(伸びやすさ)が低下することで起こると考えられています。通常の治療になかなか反応しないため、間質性膀胱炎を知らない医師から心因性頻尿として突き放されがちという問題も指摘されています。
重要な症状は「頻尿、蓄尿時膀胱痛、尿意切迫感」です。頻尿と尿意切迫感は過活動膀胱と共通しますが、同じ我慢できない強い尿意でも過活動膀胱が「今トイレに行かないともれてしまう!」という感じなら、間質性膀胱炎は「我慢してももれるわけではないが、痛みや違和感でとても我慢できない」とニュアンスが違います。蓄尿時膀胱痛は、尿がたまった時の膀胱部や尿道口などの痛みで、刺すような痛みや歩いても響く強い痛みから、違和感や重苦しさまで、症状はさまざまです。30代以降の女性に多く、アレルギー性疾患や尿路感染症の病歴がしばしばみられます。
抗コリン薬が効かない頻尿の場合に、間質性膀胱炎の可能性を念頭におくことが大切です。蓄尿時膀胱痛も大事な症状ですが、初期ははっきりしないことがあります。
診断では、膀胱容量がどれくらい小さくなっているかがひとつの判断材料になります。排尿日誌をつけ、間質性膀胱炎の症状スコア、問題スコアなどがチェックされます。水圧拡張(麻酔下で膀胱を一定の内圧まで水で拡張し、水を抜いた時に特徴的な膀胱粘膜の点状出血、五月雨状出血、亀裂が起きるかをみる)は、診断の重要な決め手であるとともに治療効果も期待できます。内服薬では、抗うつ薬、鎮痛薬などが用いられ、抗アレルギー薬のIPDの治験も行われています。また、DMSOの膀胱内注入も行われます。各種の治療に膀胱トレーニングを組み合わせたり、症状が悪化した経験のある食品(柑橘類など)を避ける食事療法もすすめられています。
関連リンク 膀胱トレーニング
排尿日誌
骨盤・骨盤底の慢性疼痛
医学的にみた「慢性疼痛」は、必ずしも炎症や神経障害など明らかな疼痛の原因によるものではありません。「慢性疼痛症候群」という言葉は、むしろ、原因が見当たらないのに痛みだけがこびりついて残った病態を指しています。
痛みの元となる局所の刺激がなくとも疼痛が続く理由は、頭脳の中に刻み込まれた疼痛の記憶です。この記憶により、特定部位は「異常に感じやすく」なり、その部位に感じられるあらゆる知覚は、脳内で疼痛として処理されるようになるのです。
骨盤内・骨盤底に慢性的な疼痛を自覚している女性は少なくありません。骨盤の中には、膀胱や肛門、排卵や月経を繰り返す間に固定した痛みのすみつきやすい子宮・卵巣など、もともと細やかな知覚を持って感じやすい各種の臓器が収まっています。女性は10代前半から50歳前後まで毎月排卵と月経を繰り返し、日常的に骨盤内の疼痛や違和感を味わいます。
また、性生活の開始、出産などは、多くの女性にとって、強い情動とともに疼痛を自覚する機会であり、これらをきっかけとして慢性疼痛に陥ることも十分にあり得ると考えられます。
このように、慢性疼痛とは一種心身症の性格を持つ病態であり、治療にあたる医療機関は著しく不足しています。現段階で確実なのは、病気や手術、けがなどで痛みを感じているとき、原因がわからないままに不安な心理状態で痛みと向き合うことは、慢性疼痛に陥る危険を増大させ、好ましくないということです。これを裏返すと、「和痛する」「痛みの誘因を避ける」「治れば痛みは消えると信じている」などの条件が、慢性疼痛を抱え込まないための生活の知恵として有用であるということがいえます。
関連リンク 骨盤底
膀胱炎と尿道炎
尿道や膀胱の中へ細菌が入り込んで、尿道や膀胱の粘膜が、炎症を起こしている状態をいいます。膀胱炎にはさまざまな原因がありますが、疲労のたまっている時や、長い時間トイレに行けなかった後などに膀胱炎になる人は多いものです。
主な症状は、排尿する際に痛みがあり、何回排尿してもトイレに行きたい感覚がとれずに頻尿になり、にごった尿や血の混じった血尿が出ます。男性より尿道の短い女性に多くみられます。
尿道炎の症状は、分泌物による下着の汚れ、排尿痛、頻尿、残尿感などです。
水分を多めにとっていると尿道炎や膀胱炎の多くは、そのまま自然に治ります。しかし、昼間から具合の悪かった膀胱炎をそのままにしていたら夜中に痛みや血尿がひどくなって大騒ぎになった、ということも珍しくありません。くれぐれも甘くみないようにしましょう。
自分でできる予防法としては、濃い色の濃縮した尿が出ない程度に、日頃から水分をとることと、性生活の後は排尿してから眠りにつくように心がけることが役立ちます。
また、閉経後に尿道や膀胱の感染を繰り返すようになったという方は、萎縮性腟炎という状態で膣内の雑菌が増えていることが多いのです。萎縮性腟炎の治療については、婦人科で相談しましょう。
ストレスによる頻尿
トイレに何度もひんぱんに行く人の中には、精神的な緊張やストレスを感じるとトイレに行かずにいられない、という人がたくさん含まれています。膀胱は自律神経の影響を受けているため、精神的なストレスに反応して膀胱や尿道が収縮し、トイレへ行きたい感じがあらわれることがあるのです。
成人の平均排尿回数は、日中4〜6回、就寝時0〜1回が目安です。1日の排尿回数がおよそ10回程度を超える場合には、医学的に「頻尿」として扱われます。
ただひたすらトイレに行く回数が増える人もいますし、それほど頻尿でなくとも、トイレどころでない大事な状況やトイレに行きにくい満員電車の中などで決まってトイレに行かずにはいられない強い尿意にさいなまれる人もいます。
頻尿の原因には、実にさまざまなものがあります。尿量が多いために排尿回数が増えている場合、反対に膀胱の容量が不足したり膀胱に痛みがあったりして排尿回数が増えている場合、排尿習慣に問題があって頻尿になっている場合、膀胱や尿道の感染が続いているために頻尿や尿意切迫のとれない場合、尿がもれがちなために用心して何度もトイレに行っている場合などです。
関連リンク 過活動膀胱
間質性膀胱炎
尿路感染症
ストレスによる頻尿
骨盤底の線維組織や骨格筋が弱って、膀胱、子宮、直腸など骨盤腔の内臓を支えられなくなった状態を「性器脱」と呼んでいます。
性器脱はしばしば排尿の不具合を伴います。子宮や膣の前方に支持不良や変形が起こり、膀胱や尿道がぐらつくようになると、それらの臓器の機能に影響が現われ、排尿の不具合を感じるようになります。尿もれのほか、排尿しづらくなることもあります。
性器脱の最大の原因は出産による骨盤底の損傷で、閉経を境に50代半ばぐらいから患う人が増加します。性器脱を予防するのには、出産の時に骨盤底の線維組織や筋肉を損傷しないように注意することが最も重要です。また、ある程度損傷のある骨盤底でも、骨盤底の強化をする「骨盤底トレーニング」を励行することによって、現実的な性器脱にまで進行するのをかなり防止することができます。
ただし、すでに子宮が出てきてしまった場合には、骨盤底を鍛えても、もはやそれだけで性器脱を治すことはできません。まず骨盤底形成術で変形した骨盤底を修復し、それから骨盤底トレーニングでその形を保つ努力をする、という手順が必要です。
関連リンク 「骨盤底トレーニング」について
骨盤底形成術
膀胱炎と尿道炎
性生活で腟や子宮の中に病原体が入り込み、腟炎や子宮内腔の炎症を起こす病気を性感染症と呼びます。腟や子宮頸部は膀胱・尿道と隣接しており、腟内や頸管内にカタル性の炎症があると、その余波を受けて膀胱刺激症状が現れます。頻尿、排尿痛、残尿感、分割排尿…、本人は膀胱炎になったかと感じるようですが、内性器感染症に伴う刺激症状では、必ずしも尿中には白血球や細菌など膀胱炎らしい所見は現れません。
内性器感染症の治療は、婦人科診察による内性器周りの痛みや採血検査の炎症所見などが陰性化するのを見ながら、十分に抗菌剤を投与します。膀胱刺激症状は内性器感染症が治る前によくなることが多く、あまり治療の指標にはできません。
性感染症にかかったことが心のトラウマになり「膀胱炎の症状がずっととれなくなった」などという人もいるようですが、膀胱刺激症状は治療によりちゃんと治るので、取り越し苦労は無用です。「自由な性生活には、望まない妊娠と性感染症というリスクがある」。このことを忘れてはいけません。
膀胱炎と尿道炎
子宮ガンにかかっても、特に苦痛を感じることなく長い時間が経過します。苦痛はなくとも、子宮頸部(腟内に顔を出している部分)や子宮の内側に小さなガンができると、そこから少量の出血や水っぽいおりものがしみ出します。しかし、この段階の子宮ガンは膀胱・尿道や神経などには何の影響も及ぼさないので、本当の意味での排尿障害は見られません。
子宮ガンでおりものが出ているのを「なんだか尿がもれているようだ」と言って受診する人はいます。目で見て判別できないくらいの初期でも、念のために頸部スメア検査(=子宮ガン検診)を行えば一発で頸ガンは見つかります。体ガン(子宮の内側にできるガン)の場合も、この病気を疑って子宮の内腔に検査を行うことにより、かなり確実に診断することができます。下着が汚れると感じたら、子宮ガン検診を受けておきましょう。
皮肉なことに、診断された子宮ガンを治療しようとすると、手術や放射線治療などの治療手段によって、尿もれや排尿困難、尿意の消失など複雑な排尿障害がしばしば起こります。手術による膀胱尿道や腟周りの臓器の微妙な位置関係の変化、神経の損傷、放射線照射による膀胱平滑筋や周囲組織の慢性炎症などが、その原因です。
なお、頸ガンも体ガンも、上皮内ガンや早期ガンと呼ばれる段階のものは、狭い範囲の手術だけで治癒でき、ほとんど排尿障害は残りません。ガンの治療は早く受けるに限ります。
ストレスによる頻尿
子宮筋腫とは子宮の壁の中にコリコリしたしこりができる病気で、原因はよくわかっていません。新たな筋腫の出現は30歳代がピークで、保有者の割合は15%以上もあります。
子宮筋腫には、出血関係、疼痛関係、腫瘤によって圧迫されるための症状、の三大症状があります。排尿障害はこの第3の症状に属し、増大した子宮が膀胱を後ろから圧迫して、頻尿・尿意切迫、腹圧性尿失禁、排尿困難などのトラブルを起こします。
長い間、子宮筋腫保有者の排尿障害についてはあまり意識されていませんでしたが、今では子宮筋腫のMRI(強い磁気を利用して生体の断層像を得る画像検査法)を撮ることが一般化し、写真を見ながら排尿障害の有無について問診をとり直している産婦人科医が多いようです。三井記念病院産婦人科では、筋腫で子宮摘除を受ける人のおよそ60%に自覚的な排尿症状がみられています。
「もうすぐ閉経しそうなので子宮筋腫を手術せず様子をみている」という人もいますが、筋腫保有者の排尿障害は、切迫性・腹圧性を問わず、ほとんどたいてい閉経後に悪化傾向になります。排尿の不具合のある人は、閉経するまで、ただ経過を見るというポリシーはあまり得策ではないでしょう。
尿排出障害
尿排出障害の症状は、排尿に時間がかかる、残尿がある、尿に勢いがなく途中で途切れるなどで、原因は大きく2つに分けられます。
ひとつは尿道の通過障害で、尿道の閉塞によって起こるものです。
もうひとつは、膀胱の収縮性が失われた状態です。膀胱の収縮性が失われる原因としては、病気やけがによる脳や脊髄神経の障害、脊髄神経の病気や手術に伴う損傷、膀胱の平滑筋の加齢変化などが、主なものです。その他、降圧薬やかぜ薬など、よく使われる薬剤に膀胱の収縮力をさらに落とすものがたくさんあります。また、外科手術や脊髄の外傷の際、あるいは出産前後などの排尿管理に手落ちがあると、膀胱の過伸展による収縮不能を起こすことがあることも知られています。
尿排出障害を起こすと残尿が多くなり、有効な膀胱容量が目減りします。
排出障害を放置すると、尿路の感染症や尿の逆流などにより腎機能の低下をきたすおそれがあります。排出障害はしばしば尿もれを伴いますが、排出障害のある人の場合、尿もれよりもむしろ腎機能を損なうかもしれないという危険の方が根本的には切実な問題です。排出障害のある人は、程度にもよりますが、腎機能を保護するために医学的な管理を受ける必要があります。
関連リンク 排尿障害のある方/自己間欠導尿
夜尿症
睡眠中の尿もれには、尿がたくさんたまった時に目覚める機構に問題のあるケースと、尿をためるしくみに問題のあるケースがあります。成人で夜中睡眠中に尿もれが起こるという場合、覚醒する機構と尿をためる機構の両方に問題のあることがほとんどです。 正常な人の場合、睡眠中に膀胱に尿がたまると膀胱内圧が上昇し、刺激が脳に伝わって、脳波が深い睡眠を浅い睡眠へと移行させます。尿意を知覚して目覚め、トイレに行くというのが一連の動きです。
脳波が反応せず、深い睡眠のまま夜尿が生じてしまうのが、覚醒障害による夜尿です。このタイプの原因や症状は複雑で、ストレスなどによる心身症やアトピー性疾患などのアレルギー性疾患にまで関連が指摘されています。
大人はふつう、夜間排尿間隔が延び、トイレへ行かずに続けて睡眠をとることができます。昼間より夜間の排尿が少ない理由は、夜間には(1)ホルモンの働きにより、作られる尿の量が減る、(2)膀胱の平滑筋がゆるんで尿をためやすくなる、という2つの条件があるためです。
生まれたての赤ちゃんは夜昼の区別なく何回も排尿していますが、幼児期から6〜7歳にかけて日内変動のしくみが発達し膀胱の働きも成長して、ほとんどの人は夜間就眠中に排尿する必要がなくなります。ところが、一部の人は7歳以上になってもこれらの機能が未完成で、夜間睡眠中に尿量が多かったり膀胱の容量が不十分だったりするのです。こうして7歳以上になっても夜間に尿もれ(=おねしょ)の起こる状態を「夜尿症」と呼んでいます。
夜尿症には、夜間の尿量が多くぐっしょりもらしてしまうタイプと膀胱の容量が不足して頻回に排尿するタイプがあり、一部はこれら2つの要因が複合しています。利尿を調節するホルモンの分泌と膀胱を支配する自律神経の機能は年齢とともに発達します。夜尿症の子どもは、これらの機能の発達が少々遅れていると考えればよいでしょう。ただし、一部には、強い心理ストレスや水分の多い食物・生活環境などの問題でおねしょを繰り返す子どももあります。
夜尿症は小学校高学年になっても約5%にみられ、宿泊行事へ参加するときに問題になります。受診の目安、対策などについては、ユニ・チャーム(株)「赤ちゃんのおむつ・おしり研究所」や協和発酵キリン(株)の夜尿症ナビに詳しく解説されています。
おしっこと生活習慣
肥満
太っていると、常に腹腔内の圧力が高いため骨盤底は下へたわみやすく、いったん腹圧性尿失禁を起こした場合には、たいてい治療は難航します。
腹圧性尿失禁の方の場合で、肥満気味の方はなるべく体重(特におなかと腰周りの脂肪)を減らす努力をしましょう。以下の肥満判定(BMI値)を参考にしてみてください。
◎BMI(Body mass index):
肥満判定(22)が、生活習慣病がもっとも少ない。
BMI=体重(kg)÷身長(m)÷身長(m)
理想的な体重(kg)=身長(m)×身長(m)×22
便秘
便秘になると大腸に便がたまり、硬い便塊の詰った大腸が外から膀胱を刺激します。極端な場合には、膀胱が硬い便塊の詰った大腸にすっかり取り囲まれて、拡張するスぺースがなくなることさえあります。
また、慢性的な便秘のために毎日一定時間かけてトイレでいきむという習慣は大きな問題です。習慣的ないきみにより、骨盤底の筋肉は次第に力負けしてしまい、やがて肛門の周囲が下へたわんでいきます。肛門周囲が下へ下がった状態は「会陰下降」と呼ばれます。会陰下降は高齢者にときおりみられる病態で、肛門の知覚低下や便失禁などを伴います。
カフェイン、アルコール
コーヒー、紅茶、アルコール飲料などには、利尿作用があります。ですから、もともと頻尿や尿失禁のある人がこれらの飲み物を飲むと、飲まない時よりも排尿関係の問題は少々重症化するはずです。飲んだ後、数時間はそうした状態になるということを心にとめておきましょう。
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