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せきやくしゃみなど、おなかに力がかかるとおしっこがもれる腹圧性尿失禁。これは、分娩や加齢により骨盤底の結合組織が徐々にゆるむことで起こります。この腹圧性尿失禁の治療法のひとつとして、TVT手術が注目されています。世界で70万人以上の女性に実施されていますが(2004年12月時点)、日本での実施例は約7000人と、他国に比べると少ないのが現状です。
今回、加藤久美子先生が実施した調査は、名古屋第一赤十字病院において腹圧性尿失禁に対してTVT手術を選択した女性177人のカルテを調査・分析したもの。そこから、尿もれに悩む女性が手術を選択するまでの背景が浮かび上がってきました。

TVT手術を選択した女性は34歳から81歳までで、年代では50歳代をピークに、60歳代、40歳代と続きます。出産経験者は171名(97%)でした。
「TVT手術を受ける方は、決して高齢というわけではありません。仕事を持っている女性も多く、介護の仕事でお年寄りを抱き上げる時に腹圧がかかってもれてしまうなど、働いているからこその悩みも見受けられました。また最近は、70歳代でも旅行やボランティアなど活動的な方が多いので、手術を希望される方の年齢も幅が広がっています。ただ、年齢が高くなると、腹圧性尿失禁だけでなく切迫性尿失禁との混合型の尿もれが増えるので、TVT手術を行なうかには、より慎重な検討が必要です」(加藤久美子先生)
 
尿もれが問題となる状況では、「歩行・走行」が137人(77%)、「せき・くしゃみ」が115人(65%)と、いずれも全体の半数以上の方が困っていました。「歩行・走行」の中には、「犬の散歩」(15人)も含まれ、日常の何気ない瞬間に尿もれが起こっているのがわかります。こうした状況から、日常生活での不都合の度合いが高いことが、手術選択の決め手のひとつになっているといえそうです。
さらに「スポーツ時の尿もれが問題」という人も38人(21%)いました。内容はテニスやエアロビクス、山登りやなわとびなど、走行や跳躍によって腹圧がかかるものが上位にあげられました。尿もれがあるからといって、これまで親しんでいたスポーツを諦めるのではなく、積極的に楽しむために手術を選択するケースも増えているようです。
「手術方式や技術の向上などが追い風になり、以前より尿失禁手術に対する敷居が低くなったといえます。どれくらいの量がもれているかを調べる『60分パッドテスト』では、TVT手術以前の尿失禁手術の場合と比べ、TVT手術では手術選択の指標となる数値が低くなっています。TVT手術は入院日数も3日程度と体への負担が比較的軽いこともあり、軽症例への広がりがうかがえました」(加藤先生)
 
発症から名古屋第一赤十字病院泌尿器科を受診するまでの期間を調べたところ、0.5年〜34年と幅広く、平均は9.1年(±8.0年)でした。5年以上という人が113人(64%)、さらに10年以上という人は76人(43%)にのぼり、長い間困っていた様子がうかがえます。
現在はさまざまなメディアで尿もれの話題が取り上げられるようになりましたが、つい数年前までは情報収集も難しかったのが現状です。また他人には言い出しにくい問題であり、受診にも抵抗感があったことが想像できます。
「全体の69%の人に受診歴がありました。そのうち64%が最終的に当科に紹介されており、医師間の連携が以前より進んだと感じました。しかし、長期にわたり複数の施設を回ってようやく専門医を紹介されるケースもあり、その過程で症状が改善せずに諦めてしまう例も、まだ少なくないようです。TVT手術を選択する方は、日常生活での不都合の度合いが高く、比較的重症度が高いと考えられます。にもかかわらず、専門医へたどり着くまでに時間がかかっているのが大変気がかりです。それまでにかかった医療施設での治療は、本来は過活動膀胱の治療薬である抗コリン薬の処方や骨盤底トレーニングのパンフレットを渡すことに偏っており、腹圧性尿失禁の治療に負担の軽い手術もあると少し言及していただけたら……と思わずにいられません」(加藤先生)
テニス 10人
エアロビクス 9人
山登り 5人
なわとび 4人
ジョギング、ウォーキング、体操 3人
ゴルフ、バレー 2人
ボーリング、ゲートボール、インディアカ 1人
受診のきっかけを見ると、「紹介」78人(44%)が最も多く、続いて「メディア」66人(37%)、「啓発活動」32人(18%)となっています。
「当科への受診動機として『紹介』『メディア』『啓発活動』があげられましたが、いくつかの要因が重なって受診につながる例が多く、今後もそれぞれにおいて地道な活動を続けることが重要だと、あらためて実感しました」(加藤先生)

女性の排尿に関する悩みや病気に関して、日本ではこれまであまり関心が寄せられていないのが現状でした。たとえ尿もれがあっても、外出やスポーツを控えるなど、尿もれを「我慢する」ことで対応してきたのです。しかし、平均寿命の上昇やシニアライフの充実、女性の社会進出などで、社会や女性の意識も変化し、さらにニーズに対応した手術治療の技術や尿もれ専用品なども進歩しています。
次回は、TVT手術というひとつの選択を通して見えてきた、女性のライフステージと尿もれの関係を探ってみます。
(2006年9月)
関連リンク 骨盤底  腹圧性尿失禁  TVT手術  尿もれが起こるのは  性器脱  切迫性尿失禁
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日本の中高年女性の3人に1人は尿もれの経験があるといわれています。『尿もれケアナビ』では、尿もれやおしっこについての正しく新しい情報を提供し、尿もれやおしっこのトラブルで悩む女性を多方面からサポートしたいと考えています。
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